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江戸糸あやつり人形芝居 三島近代能楽集「邯鄲(かんたん)」「葵上(あおいのうえ)」2011年3月18日〜27日 アサヒ・アートスクエア

上演にあたって

今回結城座は、三島の近代能楽集より「邯鄲」「葵上」を上演いたします。 皆様ご存知の通り、この戯曲は役者のために書かれた作品です。
人形の言語になりうるのだろうか……正直、人形には不向きであると感じる一方、だからこそ、立ち向かう意味があるのではないかと強く思います。
今回の「邯鄲」「葵上」は、まさに現実とは違う幻夢の世界。その不思議な空間に人形を水先案内人として、皆様をお連れいたしましょう。
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。

結城座 座長 十二代目結城孫三郎

三島由紀夫の『近代能楽集』、どうもあの台詞が大仰で、芝居がかっていて、いったいどんな身体で演じたら良いのかと考えこんでしまう。舞台を観ても、正直言ってあまり良いと思ったことがない。
様式的演技の出来る役者(つまり自然主義を超えた表現のできる役者)がやるしかないのではないか。じっさい伝統芸の役者や古典劇を得意とする役者が演ずることが多い理由もそこにあるのだろう。
いつも自分が一緒に舞台作りをしている現代劇の役者たちには向かない。だから、食指を動かされたことがなかった。
今回、人形芝居でとの提案があった時に、おっ、そうか、人形でならやれるかも!とそう思った。
「生身の役者がどんな顔して、どんな姿勢であの台詞を言うんだよっ」という長年抱いていた私の戯曲への距離感が一気に埋められるような予感がする。

松本修 (演出家 MODE主宰)